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スケートアメリカで優勝したイリア・マリニン(中央)。右は総合3位の三浦佳生
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 10月に米テキサス州アレンで開催されたフィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ開幕戦、スケートアメリカの男子ショートプログラム(SP)後の会見で、米国人の記者が現世界チャンピオンのイリア・マリニン(米国)にこう質問した。

 「5回転ジャンプを練習していると聞きますが、もうサポートなしで成功したのですか? もしそうなら初めて成功したのはいつで、試合に入れる準備はいつできそうですか?」

 マリニンは落ち着いた表情で、こう答えた。

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 「その話題についてはまだあまり語りたくないのですが、とても良い手応えだ、とだけお伝えしておきます。来シーズンお見せできるのを、楽しみにしています」

 会見場にいた記者たちから、息をのむ気配がした。19歳のマリニンが、5回転ジャンプの可能性に触れたのはこれが初めてではない。だが、ここまではっきりと宣言したのは、今回が初だ。

 これには理由がある。国際スケート連盟(ISU)が今年の7月、5回転ジャンプの基礎点を初めて発表したのである。その理由を、ISU技術委員の岡部由紀子氏が説明する。

 「現在SNSなどで5回転に…

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